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【獣医師コラム】動かないのは年のせいだけではない?!変形性関節症


こんにちは!

西東京市 田無のエルザどうぶつ福祉病院です。

 

「最近うちの子は年であまり動かなくなりました。」

それは本当に年のせいだけでしょうか?

関節が痛くて動けない可能性もあります。変形性関節症はシニアのわんちゃんねこちゃんに多い病気です。

 

変形性関節症は、動作時に痛みを伴う慢性的な変形性の関節疾患です。主に中年期から高齢期に見られますが、若年層でもまれに発症することがあります。


【原因】

  • 加齢

  • 外傷

  • 過度の運動 

  • 肥満 

  • 遺伝 

  • 関節の疾患

  • 繰り返しの亜脱臼や脱臼

これらが原因で軟骨へ過度な負担がかかり続けると、軟骨表面が擦り減り、軟骨を構成する成分が変化してしまいます。そして、血管や神経が露出してしまうと、関節に痛みを感じ始めます。

 

【症状】

変形性関節症が引き起こす症状としましては、運動やジャンプ、段差の登り降りを嫌がる、動作がゆっくりとしたものになる、関節の動きが固い、関節が硬くなり曲がらない、関節の腫れ、ぐったりとして元気がない様子を見せる、歩き方がおかしくなる、立ち上がれない等の症状があらわれるようになります。

また、悪化してしまうと歩行困難に陥ることもありますので、早急に治療をすることが重要になります。

 

【治療や予防】

変形性関節症が他の骨や関節の病気などが原因となって起こっている場合は、その病気の根本的治療を行いますが、加齢性で起こっている変形性関節症を完治させる治療法はなく、消炎鎮痛剤の投与などによる痛みの管理が主な治療となります。

近年では注射を定期的にすることで痛みが緩和できる新薬も登場しました。

また、自宅では体重管理や運動制限、関節用のサプリメントの投与などのケアを行います。

 

若いうちからの継続的な肥満は変形性関節症の発症原因となるため、予防には体重管理が大切です。肥満にならないように日頃からのこまめな体重管理を心がけましょう。また、床が滑りやすかったり、急な段差を日常的に登り降りしていると足腰に思わぬ場所に力が入り関節に負荷がかかります。そのため床材を滑りにくい素材にしたり、急な段差はステップやスロープで登り降りしやすくするなど環境の配慮も予防になります。

 

また、爪が伸びてると歩き方や足先への力の入れ方が変わるため、手首や足首に負担がかかることもあります。

そのようなことが起こらないようにするためにも、爪は切っておきましょう。

 

普段から肥満にならないように気を付け、上記のような症状が出ている場合は早めに動物病院にご相談ください。


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