【獣医師コラム】バレンタインデーに注意!チョコレート中毒
こんにちは!
西東京市 田無のエルザどうぶつ福祉病院です。
今回は、バレンタインデーが近い事もあり、ご注意いただきたいチョコレート中毒の話です。
チョコレートは世界中で老若男女に愛される食べ物ですが、わんちゃんやねこちゃんにとっては中毒を起こす食べ物です。人間の生活に深く根付いている食べ物なだけに、飼い主はうっかりわんちゃんねこちゃんがチョコを食べてしまうことがないよう、注意を払いましょう。
【原因】
チョコレートの材料のカカオに含まれるテオブロミンという物質を摂取することによって中毒症状が引き起こされます。
わんちゃん、ねこちゃんはテオブロミンを分解、排出することができないので、体内に蓄積されて毒となります。摂取した量や動物の体重にもよりますが、カカオ含有量が多いチョコレートは特に注意が必要です。
【症状】
摂取したカカオの量やその動物の大きさによっても症状は異なります。
軽い場合は嘔吐や下痢などの消化器症状だけの場合もありますが、量が多くなると神経症状や心臓にも影響を及ぼします。
落ち着きをなくし、うろうろし始める、歩き方がフラフラとする、興奮状態になる、ハアハアと呼吸が荒くなるといったものから、震え、不整脈や麻痺などがみられます。
摂取後、すぐに症状が見られることはあまりなく、早くてもだいたい2時間〜6時間ほどで異変が現われ始めます。中には数日後に症状が出るケースもあるので、犬がチョコを食べてしまった場合は、たとえ病院へ連れて行ったとしても、しばらくは注意深く観察する必要があります。
【治療や予防】
摂取後間もなくの場合は胃に残っているものを吐かせる処置をしますが、それでも十分でない場合は胃洗浄を施すことがあります。摂取後に時間がたってしまっており中毒症状が出ている場合は、点滴を行ったりその症状によっての対症療法を行います。
わんちゃんねこちゃんが届かない場所に置くなど、まずは食べられないようにすることが何よりも大切です。
カバンの中や机の上などもわんちゃんねこちゃんが開けれたり、落としたりすることで食べられてしまわないように注意してください。